ヘロリペロリ日記

〜 百穀を潤す穀雨が降る頃、身体もココロも“しっとり”と潤っていこう!! 〜


【ヘロリ山崎より】

そろそろ桜の花も散ってしまったでしょうか?
今年の春は、暖かい日があったかと思うと、次の日はうってかわって肌寒くなったりを繰り返す「三寒四温」で、日々少しずつ春が本格的になってくるのを、じっくりと感じられたように思います。
去年、都内の初雪は4月1日に降ったりして、なんだか「おかしいな」という気候だったのに比べると、今年は極めて順調な気候の流れであるようですね。
つい先日、都内の世田谷に、江戸時代から農業を営んでいる大平さんという農園に伺う機会があったのですが、大平さんの奥様も今年は気候が順調であるというお話をされました。大平さんの広いお屋敷の四隅に、大きなケヤキの木があるのですが、春になると一本のケヤキの木がグングンと枝を伸ばし、それから若葉を繁らせるまで、他のケヤキはじっと待っているそうです。順番に一本ずつケヤキが繁っていくのを見て、ケヤキがお互いに合図をし合っているようだと、嬉しそうに奥様は仰いました。そのケヤキが去年は一斉に枝を伸ばし、同時に葉を繁らせるのを見て「なんだかおかしいなあ」と思ったそうです。
去年は中目黒の桜も咲いたかと思うと雪が降り、雨と風であっという間に散ってしまいましたし、梅雨明けは8月1日と遅く、短い夏には40度以上の気温を記録するところもあって「なんだか変な気候だなあ」と感じた人も多かったのではないでしょうか?
今年の桜は順調で、中目黒界隈の目黒川沿いの桜並木の下は、今頃では風が吹くと一斉に花びらが舞い上がり、見事な桜吹雪に歓声が挙がり、川に架かる橋の袂では中国の楽器である二胡を弾く姿もあり、彼の弾く「涙そうそう」を聴いていると、何ともいえない心地の良さを感じて、こういう時間を持てることの幸福をかみ締めます。
平和であることはありがたく、一番大切なことだと思います。
身体感覚講座は、カラダを整えることでココロの落ち着きを取り戻すものなのですが、ココロの「在り様」について、見失っている人の起こす事件についてのニュースを見ていると、ココロについて、もう少し何か伝えておきたいように感じます。
世の中は4月。新年度を迎えて生活環境の変わる人も多いことでしょう。この「ヘロリ・ペロリ」も、気がつけばもう3年半も続けているわけですが、この先1年間で何を伝えておけるものかと、なんとなく考えつつ、ヘロリ・ペロリと過ごしていこうと思っています。
さて、二十四節気では「穀雨(こくう)」を迎える頃です。『旧暦美人のすすめ』によると、
穀雨とは、百穀(あらゆる穀物)をうるおし、発芽をうながす春雨のことです。田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように柔らかな春の雨が降る頃。この頃より変わりやすかった春の天気も安定し、陽射しも強まります。
とあります。
暦の上では穀雨は弥生の15日です。睦月、如月、弥生が春なので、あと半月で夏を迎える頃です。身体はそろそろと夏への準備を迎えてくるのでしょうか?
個人的には、花粉症がそろそろ本格的に厳しくなってきましたよ(笑)ブタクサ花粉の飛散はちょうど今頃のようです。環境gooの「花粉症特集」を参考にさせていただきますね!
http://eco.goo.ne.jp/life/health/kafun/kenkouhou/

【ペロリ松田より】
その花粉症対策の原稿を終えた翌日、私は中国に向かいました。北京にはこの春から一人で暮らしている娘がいるのです。その娘に「日本は今、桜が見頃なんでしょ。私もお花見したーい!」と連れて行かれたのが、北京では花見処として有名らしい大きな公園。十元(日本円で約160円)で買ったピンクのチケットには、「櫻 春到 玉洲潭(タマスザク※中国語です)第二十届櫻花文化展」などと印刷されていて、「今年は中国でもお花見ができるのかあ」と、ちょっとウキウキしながら入園しました。
園内は家族連れやらカップルやらがゾロゾロといっぱいで、そぞろ歩きを楽しんでいます。混雑しているのは日本と変わりません。違うのが、モゴモゴと口を動かしながら歩いている人の多いことでしょうか。めいめいに透明なビニール袋を片手にぶら下げながら、とうもろこしやらお菓子やらを食べながら歩いています。さすが「食の大国」の底力だと感じました。
「食べることが大好き」という大前提がそこかしこに、どこに行ってもみなぎっていて、「花見のここでもかあ」と感心しました。団子抱えながら花見しているようなそぞろ歩きの列に加わりながら、さて肝心の桜は・・・というと・・・ありましたね。でも茶色い樹。エッ? ちょっとガーン。花は小さく、葉もすでに出ていて、何か薄い白い点々(花びらネ)が全体的に散っている。出始めた葉っぱ色の茶色の樹が中国、北京での桜でしたが、その素朴で地味な風情は、日本の桜、ソメイヨシノが満開となる光景とは、似ても似つかないものなのでした。
その代わりと言ってはなんなのですが、目を引き付けんばかりの「艶やかさ」だったのが桃の花です。これが花も樹も大きい。八重桜がもう咲き出したのかと間違えてしまうほどの立派な大樹もあり、濃いピンク、純白、と枝一面にボンボンのような花をつけて咲き誇っておりました。そして、どこからともなく、その樹の存在を知らせるニオイがあたり一面に漂っているのです。
日本のソメイヨシノは改良種なので、どんなに満開でも、その花の下に入ったときに、あまり香りを感じません。むしろ山の谷あいにひっそりと咲く山桜の方が、その香りを強烈に放ったりします。
せっかくなので桜はやめて、この満開の立派な桃の樹の下で記念撮影をすることにしました。大らかで派手でゲンキな桃の樹の下に入って「クチャイクチャイ、早く撮って」と言う娘をパチリ。鼻に手を当てたままというその表情は、あきらめ半分、はにかみ半分という顔をしていました。
【ペロリ松田プロフィール】
■松田恵美子(まつだえみこ)
身体感覚育成講座講師。現代人における生命力の発露を探究。日々の動作や日本文化における型などを感覚からひもとき、日常生活に活かせる知恵や技として活用することで、自分のからだを自分で育む姿勢を伝えている。学校教育における教材化の研究協力にも携わる。
Be-nature school講師。共著に『自分という自然に出会う)』(講談社/刊)『おとなの自然塾)』(岩波アクティブ新書)。監修『旧暦美人のすすめ)』(東洋経済新報社) 2007年3月発売。
【ヘロリ山崎プロフィール】
■山崎義高(やまさきよしたか)
「きゃりあ・ぷれす」編集部を経て、現在はフリーのライター。旧暦、身体感覚、ヨーガ、野菜、ビールなどをテーマに活動中。お仕事のご依頼はお気軽に〜♪< yoshitak@kingyobanchi.dialog.jp >< http://www.sportsclick.jp/sportskids/ >、身体感覚講座から生まれた本、『旧暦美人のすすめ(東洋経済新報社刊)』など。