ヘロリ・ペロリ日記

ヘロ・リペロリ日記とは、『きゃりあ・ぷれす』が定期的に開催している「身体感覚講座」の講師松田恵美子さんとライターの山崎義高さんの「往復日記」です。

ヘロリ・ペロリ日記 その16
   〜珈琲は引き締めたいとき、紅茶は緩めたいときに〜

【ヘロリ山崎より】

こんにちは!
いよいよ入梅しました。暦では雑節の「入梅」(太陽が黄経80度の点を通過する日)が6月11日でしたが、ほぼ暦と一致する時期に入梅しました。とはいえ、初日こそ降りましたけど、それ以降は晴天に恵まれたり、ここ2日ばかりは曇りがちですが、なかなか雨が降ってきません。水不足が深刻な地域もあるようなので、そろそろちゃんと降ってくれるといいなあと思っています。最近は、遊歩道や公園などで紫陽花が咲いているのを見かける機会が多くなってきました。いろんな色の紫陽花があるんですね。夜中に街灯の光を受けて、ひんやりと佇む、きっぱりと一点を見詰めているような、青色の紫陽花が僕は好きです。子どもの頃には紫陽花の葉っぱにカタツムリがとまっているのをよく見かけましたが、今ではほとんど見られなくなりました。どこにいっちゃったんでしょうね?


【ペロリ松田より】

そういえば、“かたつむり”、見てないですねエ…。ちょっと気を付けて捜してみようかな…。さて最近、講座の前は、お茶を一服いただいてから…というパターンになってきています。山崎君の淹れてくれるお茶は何でおいしいのかなあ…って思うに、一言でいうと「丁寧」。お茶の“気持ち”をよくわかろうとしているっていう感じなのです。葉や粉の性質に合わせて、湯の温度加減、蒸らしの時間、湯のみへの注ぎ分けの順序など、かなり気配りして皆に淹れてくれてます。ちなみに前回は来る前に立ち寄ったという自家焙煎珈琲屋さんの有機栽培ガテマラ。珈琲は気分を引き締めたいとき、紅茶は緩めたいときに飲むといいのです。お茶の種類によってそれぞれ身体に与える作用が違うのですが、それを知らなくても私たちは普段から結構、それを使い分けて飲んでいますよね。朝や仕事前には珈琲とか、ホッとしたい午後のお茶の時間には紅茶とか。“いつも決まったものしか飲まない”という人も、ちょっと「今は何が一番飲みたいかなあ」とその都度、身体に訊いてみることをおすすめします。特に、梅雨時は味覚が変わってきます。生ものを食べてもだんだん美味しくなくなってくるし、甘いものも余り欲しくなくなってきた…!私などはもう、肝臓に負担をかけたくないなあ…って感じが強いです。

そうそう、珈琲の場合、必ずお水も同量以上飲んでね。珈琲は水分補給というより、濃い液体を飲んでいる、って感じになるので。お酒ももちろん。山ちゃんの場合はどう?最近は何がおいしいと思った?そろそろカレーかな?
さて、次回の講座では…、湿気で呼吸器がお疲れがちな身体のメンテナンスもしておきたいし、気分も鬱滞(うったい)しがちな時期でもあるので、テーマは「腹から声を出す」。胴体に息の通り道を開通させていきます。きっと身体の内側に「音」が響いて、気持ちいいよ。では、そのときにお会いしましょう。


【ヘロリ山崎より】

前回の講座の前に、たまたま珈琲を淹れましたが、いつにもまして「ギュッ」と気持ちを引き締めて講座に入っていくと、その日の講座の内容も腰を中心に使って、身体を引き締めていく内容のものだったので、珈琲を飲みたくなるのも、自然な流れだったのかもしれないなあと思いました。僕はお茶も珈琲も詳しいわけではありません。買うときにお店の人においしい淹れ方を聞いたり、包装にある注意書きを丁寧に読むことくらいしかしていません。ただ、身体感覚講座は5時間以上の長丁場ですし、日常と離れた感覚を味わう貴重な時間でもあります。その時間を共に過ごす皆さんとは、なるべく楽しく気持ちよく講座に入っていきたいと思っています。丁寧にじっくりと時間を味わおうとすると、その場に居合わせた皆さんとの出会いが“一期一会”なんだなあと思えてきます。その感覚がなんともいえず心地よいんですね。最近はカレーももちろんおいしいですが、年中おいしいので(笑)、この時期はトマトがおいしいです。モツァレラチーズとサラダにしてもおいしいし、生のままをジャブっと洗ってかぶりつくのも最高ですね。でもそこに少しの塩と一緒に食べると甘みが出て更にオイシイんですよ。僕は生まれ故郷に近い広島県呉市で作っている「海人の藻塩」というので食べるのが気に入っていますね〜。あとは、蒸し暑くなってきたらなんといってもビールでしょう!トマトや旬の空豆を焼いたり、冷奴なんかといただいています。

次回は「腹から声を出す」ですか。去年もやりましたが、楽しみですね!チベットの不思議な音色を出す楽器と共に、身体の奥から声を出していると、身体の中に空洞ができて、そこで自分の声が共鳴して、その声が他の人の声と更に共鳴して、会場の空気がびんびん響いて、それが大変に心地よかったです。体調整えて、思いっきり声を出しに行きます!

この原稿を書いている今日6月19日は旧暦では5月5日。端午の節句です。元々鯉のぼりは、梅雨の雨を滝に見立てて、鯉が滝を登ると龍に生まれ変わるという伝説からできているようですね。梅雨の時期はジメジメと物も腐りやすく、邪気がこもる季節と考えられ、邪気払いのために菖蒲を浮かべたお風呂に入る習慣が今でも残っているようです。僕も今夜は慣習に従って「二日酔い」という邪気に冒されてしまったこの身を菖蒲湯で清めたいと思います。


【ペロリ松田プロフィール】
■松田恵美子(まつだえみこ)
身体感覚育成講座講師。現代人における生命力の発露を探究。日々の動作や日本文化における型などを感覚からひもとき、日常生活に活かせる知恵や技として活用することで、自分のからだを自分で育む姿勢を伝えている。学校教育における教材化の研究協力にも携わる。
Be-nature school講師。共著に『自分という自然に出会う)』(講談社/刊)、『おとなの自然塾)』(岩波アクティブ新書)。監修『旧暦美人のすすめ)』(東洋経済新報社) 2007年3月発売。

【ヘロリ山崎プロフィール】
■山崎義高(やまさきよしたか)
 「きゃりあ・ぷれす」編集部を経て、現在はフリーのライター。旧暦、身体感覚、ヨーガ、野菜、ビールなどをテーマに活動中。お仕事のご依頼はお気軽に〜♪
『スポーツキッズα(ベースボールマガジン社)』< http://www.sportsclick.jp/sportskids/ >、身体感覚講座から生まれた本、『旧暦美人のすすめ(東洋経済新報社刊)』など。